「働きマン」という漫画があります(かなり昔の漫画です)。
雑誌編集の仕事を舞台とした漫画で、その中に学生の就職活動の話がありました。そこで面接を担当する社員のセリフが印象に残っています。
「入社することがゴールになっている奴はつまらない。そこがゴールだから入社してしまったら力が抜けてしまう。編集でやりたいことがあるやつは入社がスタートだから、それからの伸びが面白い。そこを見ている」
実はこれ、就職活動だけでなく、どんな仕事にも通用する話だと思っています。
2種類の研修講師
当社のビジネスゲームをお使いいただいている多くの研修講師の方々の仕事ぶりを見ていると、2種類の方がいらっしゃいます。
- ゲームを使った研修をして満足してしまう方
- ゲーム型研修をきっかけに大きな組織改革を成し遂げる方
テクニカルな面では、両者の違いは「お客様から研修の相談を受けた時に、どこをゴールとして見ているか」という点に集約されると感じています。
相談を受けた顧客の「今」の「表面的な」ニーズに応えることを目標にしているか、「未来」の「本質的な」ニーズに応えることを目標としているかの違いと言っても良いでしょう。
今のニーズに対応している場合は、研修を一回実施して、それで終わりです。全力で取り組むことで次のオーダーが来るかもしれませんが、それはある意味運任せとも言えます。
未来のニーズに対応している講師の方は、
「本来実現されたい組織変革を成し遂げるためには 、○✕という取り組みが必要ですが、予算・時間的にも限りがありますのでファーストステップ である○○にまずは取り組みましょう」
という話をします。
研修を一回実施することに変わりはありませんが、それがより本格的な研修の提案の場であり、 スタートになっているわけです。
今回は、研修講師の仕事について触れていますが、冒頭で「就職活動だけでなく、どんな仕事にも通用する話」とお伝えした通り、研修に限らずどんな種類の仕事にも言えることではないでしょうか。
- △△をゴールにしていたら、△△を実施したことで満足してしまう
- 〇〇をゴールにしていたら、△△がスタートになる
あなたはどこをゴールとして見ていますか?
執筆者プロフィール
福井 信英
富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。
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