SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の企業の取り組み事例・私たちにできること
- 最終更新日:2024-12-26
- SDGs3「すべての人に健康と福祉を」
あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進する(Ensure healthy lives and promote well-being for all at all ages)
本稿では、このSDGs3の理解を深め、実際に企業が取り組みを進めている事例を知り、私たちにできることを考えていきます。
SDGsとは?
SDGs(Sustainable Development Goals|持続可能な開発目標)とは2015年9月の国連サミットで採択された国際目標です。
誰一人取り残さない(leave no one behind)のスローガンのもとに、193か国の国連加盟国が2016年~2030年の15年間でSDGsの17の目標と169のターゲットの達成を目指しています。
SDGsのことについて、詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください。
SDGsが必要とされる背景と歴史、SDGsの原則。そして、人(私たち一人ひとりの個人)と組織(企業や自治体)がSDGsを自分事として捉えるきっかけとなるような情報をお届けします。
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」とは?
健康とは何か、福祉とは何か
健康という言葉は聞きなれていても、具体的な言葉の定義を知らない方は少なくありません。WHO憲章(日本WHO協会訳)では「健康」を以下のように定義しています。
“健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあること(“Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity)”
次に、福祉とは何か。福祉には「公的扶助やサービスによる生活の安定、充足」という意味があります(参考:広辞苑)。
日本では、
- 誰もが医療サービスにアクセスできる国民皆保険制度
- 高度な医療インフラ
- 安全でおいしい水を供給する水道インフラ
- 安全対策が充実している交通インフラ
- 義務教育課程で提供される保健教育
- 健康で文化的な最低限度の生活を保障する生活保護制度
など、人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進するための取り組みが行われていますが(※)、そうでない国は、途上国を中心に数多く存在します。
例えば、国土交通省の調査では水道水を飲める国は15ヶ国(特定都市含む)しかありません。また、世界銀行と世界保健機関(WHO)の発表によると、世界人口の半数が基礎的保健サービスを受けられずにいるとのこと。
・参考:THE WORLD BANK|プレスリリース|2017年12月13日
上述の事例に限らずに、SDGs3を構成する13個のターゲットに示されている通り、私たちが解決すべき問題は多岐に渡ります。
日本における健康と福祉の問題
日本は世界の中で福祉が充実している国である一方で、日本固有の難しい問題を抱えています。その現実を見ていきましょう。
医療システムの維持の問題
日本の医療システムは、国民全員が高度な医療サービスに安価にアクセスできる環境を実現しています。
“日本の医療システムは、安心して医療を受けられるように国民全員が公的医療保険に加入し(家族も加入者の扶養家族としてカバーされる)、一人ひとりが保険料を出し合い、助け合うことによって支えられています(国民皆保険)。患者さんは保険証1枚さえあれば医療機関を自由に選ぶことができ(フリーアクセス)、窓口負担だけで診療や薬の給付など、必要な医療サービス(現物支給)を平等に受けることができます”
参考:日本の医療保険制度の優れた特徴|世界に誇れる日本の医療保険制度|日本医師会
この優れた医療システムに係るコストは、当然ながら税金(や借金)から捻出されることになるわけですが、高齢化社会の進行に伴い医療サービスの利用者・利用頻度は増加し、コストが増大し続けています。
令和4年(2022年)10月1日からは、(現役並み所得者を除いた)75歳以上の方等で一定以上の所得がある方は、医療費の窓口負担割合が1割から2割に変わりましたが、日本の医療システムが今の仕組みを維持する前提においては、今後もこういった動きは増えていくであろうことが予想されます。
そして、お金が無くて医療にアクセスできない(アクセスしづらくなる)方が増えていくであろうことは想像に難くありません。
介護難民の問題
高齢化の影響は、介護難民(介護サービスが誰からも受けられず困っている人)の問題も引き起こしています。事実、2000年4月末と2019年4月末の比較において、介護を受ける人・介護サービスを利用する人は大きく増加しています(下記参照)。
- 介護保険の65歳以上第1号被保険者数:1.6倍(2,165万人から3,528万人へ増加)
- 要介護(要支援)認定者数:3.0倍(218万人から659万人へ増加)
- 在宅サービス利用者数:3.9倍(97万人から378万人へ増加)
- 施設サービス利用者:1.8倍(52万人から95万人へ増加)
- 地域密着型サービス利用者数:3.3倍(149万人から487万人に増加)
このように、介護を必要とする人が急増する一方で、その需要に対してサービスを提供する人材が不足しており、介護難民(介護サービスが誰からも受けられず困っている人)が増える問題が起きています。
介護サービスを提供する人材が不足している背景には、介護職員(介護従事者)の低賃金問題があります。賃金を高くすることで解決するように見えますが、それには利用者側の費用負担の増加や公的支援の場合は財源の確保もセットで考える必要があり、そう簡単な話にはなりません。
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」のターゲット
3.1|2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり70人未満に削減する。
3.2|全ての国が新生児死亡率を少なくとも出生1,000件中12件以下まで減らし、5歳以下死亡率を少なくとも出生1,000件中25件以下まで減らすことを目指し、 2030年までに、新生児及び5歳未満児の予防可能な死亡を根絶する。
3.3|2030年までに、エイズ、結核、マラリア及び顧みられない熱帯病といった伝染病を根絶するとともに肝炎、水系感染症及びその他の感染症に対処する。
3.4|2030年までに、非感染性疾患による若年死亡率を、予防や治療を通じて3分の1減少させ、精神保健及び福祉を促進する。
3.5|薬物乱用やアルコールの有害な摂取を含む、物質乱用の防止・治療を強化する。
3.6|2020年までに、世界の道路交通事故による死傷者を半減させる。
3.7|2030年までに、家族計画、情報・教育及び性と生殖に関する健康の国家戦略・計画への組み入れを含む、性と生殖に関する保健サービスを全ての人々が利用できるようにする。
3.8|全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)を達成する。
3.9|2030年までに、有害化学物質、並びに大気、水質及び土壌の汚染による死亡及び疾病の件数を大幅に減少させる。
3.a|全ての国々において、たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の実施を適宜強化する。
3.b|主に開発途上国に影響を及ぼす感染性及び非感染性疾患のワクチン及び医薬品の研究開発を支援する。また、知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)及び公衆の健康に関するドーハ宣言に従い、安価な必須医薬品及びワクチンへのアクセスを提供する。同宣言は公衆衛生保護及び、特に全ての人々への医薬品のアクセス提供にかかわる「知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)」の柔軟性に関する規定を最大限に行使する開発途上国の権利を確約したものである。
3.c|開発途上国、特に後発開発途上国及び小島嶼開発途上国において保健財政及び保健人材の採用、能力開発・訓練及び定着を大幅に拡大させる。
3.d|全ての国々、特に開発途上国の国家・世界規模な健康危険因子の早期警告、危険因子緩和及び危険因子管理のための能力を強化する。
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の日本における達成状況
SDGsの達成・進捗状況を知る上では、Sustainable Development Report 2023 のデータが参考になります。
本レポートによると、SDGs3の日本における達成状況は「Challenges remain(課題が残る)」、進捗状況は「Moderately improving(適度に改善している)」です。
<SDGs3の達成状況>
- Dashboards:Challenges remain
- Trends:Moderately improving
具体的に見ると、ほとんどの指標において「SDG achieved(SDGs達成)」の状態にあるものの、Incidence of tuberculosis(結核の発生率)の指標では「Challenges remain(課題が残る)」とされています。
その上で、2000年には36(10万人あたりの発生数)だった結核の発生率が、2021年には11にまで大きく改善しています(※)。
※厚生労働省のデータでは「2021年の結核罹患率(人口10万対)は9.2」と公表されています(前年と比べ0.9減少して、結核低まん延国となったと発表されています)。
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」の企業の取り組み事例
メロディ・インターナショナル
メロディ・インターナショナルは「安心・安全な出産を世界の全てのお母さんへ提供する」という理念を掲げ、発展途上国・新興国を中心として海外でも活動の幅を広げています。
“日本の周産期医療は世界一優れています。周産期医療の指標を表す数値である妊産婦死亡率、周産期死亡率とも日本は世界一の低さを誇っています。それは高度周産期医療の発達ももちろんですが、母子健康手帳を含めた妊婦健診体制と分娩監視装置(CTG)の普及率がその基礎を支えています。この基本的な周産期医療を世界に広げることがメロディ・インターナショナルのミッションです。CTG普及率が低く専門医が不足している発展途上国や新興国では、この妊産婦死亡率、周産期死亡率が非常に高く、医療体制の強化が課題となっています。周産期遠隔医療プラットフォーム”Melody i”と遠隔医療対応のプチモバイルCTGがその一助となること願い、さらなる開発を進めています”
トヨタ自動車
トヨタ自動車では社員の自発的な取り組みの中で、足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」が生まれています。
“仲間や家族を守るために、何ができるだろうか——。2020年春、新型コロナショックが本格的に拡大すると、トヨタの社員たちは誰かから指示されたわけでもなく自発的に行動をはじめました。そうして生まれたのが、足踏み式消毒スタンド「しょうどく大使」です。同様の装置が各地の工場で自然発生し、誰が最初の発明者なのかは今でも分からないほど。その後、誰小さなお子様や車いすの方でも使いやすくどこにでも設置しやすい装置を目指して30を超える試作品がつくられ、改善が重ねられました。工場内で自発的に生まれた装置は「安くつくって普及させられれば世の中のためになる 」という、エコカーと同様の考えのもと、市販を開始。1日に800台以上を生産し、スーパーや病院をはじめとして多くの場所でご利用いただいています”
島津製作所
社是である「科学技術で社会に貢献する」を胸に真摯に社会の課題と向き合い、事業を通じてその解決に直接的・間接的に取り組んできた島津製作所。
同社では、新生児マススクリーニング(赤ちゃんの先天性代謝異常等の病気をみつけるための検査)の新しい検査方法「タンデムマス法」を開発し、新興国に広げる取り組みを進めています。
“新生児マススクリーニングでは、ガスリー法という検査方法が長く採用されてきました。これは採取した血液を染み込ませたろ紙を使う方法で、1960年代に開発され、検査費用も安いため世界的に普及しました。一方、私たちが開発した方法は、質量分析装置を2台直列につないだタンデム型質量分析装置を用いるもので、「タンデムマス法」と呼ばれています。1検体当たりの分析時間はわずか1~2分で、分析ピークがはっきりと記録紙上に現れることから、1台のタンデムマスで年間6万人を検査でき、しかもガスリー法では検査できなかった20種類以上の病気を一度に検査できます。加えて、ガスリー法に比べて精度も格段に向上し、偽陽性例の数も著しく減ります。患者さんのご家族の生活の質向上に貢献しています。現在は、この検査方法を日本などの先進国だけでなく、先天性の病気の診断を受ける新生児が全体の1割未満にとどまる新興国にも広げる取り組みを進めています”
参考:[SHIMADZU] 血液から病気の因子を測定し新生児における疾患の発症や重症化を予防|サステナビリティ|島津製作所
住友化学
住友化学は1950年代に世界で初めてピレスロイド系の殺虫剤の商業生産に成功し、幅広く殺虫剤事業を展開してきました。
そして、それらの殺虫剤原体の知見や豊富な製剤技術を駆使した製品の取り揃えで、広く世界で感染症へのソリューションを提供しています。例えば、ポリエチレンと防虫剤の技術を融合させる形で開発した防虫剤処理蚊帳「オリセット®ネット」は、対マラリア製品として、国連児童基金(UNICEF)などの国際機関を通じて、世界中(約100カ国の国々)に供給されています。
“ポリエチレンにピレスロイドという防虫剤を練りこみ、薬剤を徐々に表面に染み出させる技術「コントロール・リリース」。もともとは工場の虫除けの網戸として使われていた技術ですが、住友化学は、これをマラリアに苦しむ人々のために役立てられないかと考え、研究開発を積み重ねた結果、防虫剤処理蚊帳「オリセット®ネット」を開発しました。2001年には世界保健機関(WHO)から世界で初めて長期残効型蚊帳としての効果が認められ、使用が推奨されています。現在、国連児童基金(UNICEF)などの国際機関を通じて、約100カ国の国々に供給されています”
ミズノ
ミズノは、生活レベルの向上に伴う食生活の変化などが原因により、肥満率が40%を超え、将来の健康について懸念されるベトナムの子どもたちに対して、運動遊びプログラム「ミズノヘキサスロン」を提供しています。
“私たちは、子どもたちが楽しみながら運動発達に必要な基本動作「走る・跳ぶ・投げる」を身につけることができる運動遊びプログラム「ミズノヘキサスロン」を、同国公教育に2015年から提案を開始し、同国の学習指導要領附則ガイドラインに採用されました。約720万人全ての小学生に「運動をすることの楽しさと体を動かすことの喜び」を広げる活動を展開しています。既に32万人(2021年3月時点)がこのプログラムを体験し、ベトナムの小学校に笑顔と歓声が広がっています”
Kids Public
Kids Publicでは「子育てにおいて誰も孤立しない社会の実現」を理念に掲げ、インターネットを通じて子どもの健康や子育てに寄り添う事業を展開しています。
同社のオンライン医療相談サービス「産婦人科オンライン」と「小児科オンライン」は、産婦人科医・助産師・小児科医に気軽に相談できる環境を作るものであり、日本全国の自治体に導入が進んでいます。
ヤクルト
ヤクルトは、世界の人々の健康に貢献したいという想いを胸に、健康に関わる社会課題の解決を目指してきました。同社はイノベーションの原点である「乳酸菌 シロタ株」を活かした商品開発により、健康に貢献する商品を世に生み出しています。
“近年、世界の研究分野では、脳と腸が互いに影響し合う「脳腸相関」に、腸内細菌を加えて「脳-腸-微生物相関」の研究が進展しています。ヤクルトでも研究を進め、高密度、高菌数の「乳酸菌 シロタ株」を含む乳酸菌飲料の継続飲用が、一時的な精神的ストレス状況下において、ストレス緩和や睡眠の質を高めることを健常な医学部生で確認しました。
「Yakult(ヤクルト)1000」の誕生
高密度・高菌数の乳酸菌飲料の商品化を実現するために、培養方法を新たに開発し、「乳酸菌 シロタ株」の増殖と製品保存中の菌数維持に最適な処方・培養条件を確立し、ヤクルト史上最高密度を実現しました。高密度の機能を保持したまま、「ヤクルト」らしい風味を維持しています。研究・開発担当の熱い想いがこもった「Yakult(ヤクルト)1000」は、2021年4月に全国発売されました。
ストレス社会といわれる現代は、メンタルヘルスケアが重要視されています。ヤクルトでは長年培ってきた研究や技術を活かし、社会課題の解決に貢献する新しい価値を今後も提供していきます”
GO
タクシー事業者等に向けた配車システム提供などのモビリティ関連事業を手掛けるGOでは、安全運転をあたりまえの習慣にするべく、次世代AIドラレコサービス「DRIVE CHART」を提供しています。
“ドライブチャートは、AIを駆使したドライブレコーダーが常に運転解析。事故の要因となりうる、脇見運転や一時不停止などの各種リスク運転行動を、自動的に検知し、映像を残します。AIが検知した映像や解析データをもとに、安全管理に特化した専門人材が、あなたの会社のチームと一緒に運転事故防止と業務効率化を支援します”
参考情報
本稿ではSDGs3「すべての人に健康と福祉を」についての事例をお届けしてまいりました。もっと多くの事例を知りたい方、SDGs17の目標単位で様々な事例を知りたい方は下記の記事をご覧いただければと思います。
SDGs3「すべての人に健康と福祉を」について私たちにできること
募金・寄付をする
人々の健康は貧困問題と密接に関わっているため、募金や寄付を通じた支援によってSDGs3の目標達成に貢献することができます。
- 国境なき医師団
国境なき医師団は民間で非営利の医療・人道援助団体です。紛争や自然災害、貧困などにより危機に直面する人々に独立・中立・公平な立場で緊急医療援助を届けています。
- WFP国連世界食糧計画(国連WFP)
国連WFPは女性と子どもの栄養強化、小規模農家の生産性向上と損失削減、国やコミュニティによる気候に関する災害への備えと対応支援、学校給食支援による人的資本の強化に取り組んでいます。
- ユニセフ(国連児童基金)
ユニセフは世界中の子どもたちの命と健康を守るために活動する国連機関です。保健、栄養、水と衛生、教育、暴力や搾取からの保護、HIV/エイズ、緊急支援、アドボカシーなどの分野で支援活動をおこなっています。
自分や家族の健康に気を付ける
新型コロナウイルス感染症では感染者の増加に伴う医療資源のひっ迫が問題視されているように、限られた医療資源を有効活用する観点で私たち一人ひとりで健康でいることはとても重要です。
感染予防のためにマスク着用や手指衛生(手洗い、手指消毒)を心がけること。健康診断をきちんと受けること。食生活の改善や運動の習慣化に取り組むこと。そういった健康への配慮の積み重ねによって、SDGs3「すべての人に健康と福祉を」に貢献することが可能です。
パートナーシップの輪を広げる
SDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」の観点で自分が起点・ハブとなり、自身が所属する会社や団体・地域コミュニティとパートナーシップ(協力関係)を築き、SDGsの取り組みを進める。
これも私たちにできることの一つです。
例えば、私たちプロジェクトデザインでは「SDGsについての理解・実践」を支援するツールとして様々なSDGsゲームをご提供しています。これらのゲームを活用することであなたの所属先やコミュニティでSDGsの取り組みを進めやすくなります。
・参考:SDGsゲーム
SDGsクイズ:「すべての人に健康と福祉を」編
【問1】 世界の妊産婦の死亡率の削減目標は?
“2030年までに、世界の妊産婦の死亡率を出生10万人当たり●●人未満に削減する”
これはSDGs3のターゲット3.1の内容です。この「●●人未満」に当てはまる内容として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?
<選択肢>
- 50人未満
- 70人未満
- 90人未満
- 110人未満
正解は「70人未満」です。
厚生労働省の調べでは2019年の日本における妊産婦死亡数は29名。出産10万人当たり3.3人とあります。
【問2】 UHCとは?
“全ての人々に対する財政リスクからの保護、質の高い基礎的な保健サービスへのアクセス及び安全で効果的かつ質が高く安価な必須医薬品とワクチンへのアクセスを含む、●●●●●●●●●(UHC)を達成する”
これはSDGs3のターゲット3.8の内容です。この「●●●●●●●●●(UHC)」に当てはまる内容として正しいものは次の選択肢のどれでしょうか?
<選択肢>
- ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)
- ユニバーサル・ヘルスケア・カバレッジ(UHC)
- ユニバーサル・ヘルスケア・コミット(UHC)
- ユニバーサル・ヘルステック・カバレッジ(UHC)
正解は「ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ(UHC)」です。
“UHCとは「すべての人が、適切な健康増進、予防、治療、機能回復に関するサービスを、支払い可能な費用で受けられる」ことを意味し、すべての人が経済的な困難を伴うことなく保健医療サービスを享受することを目指しています。
持続可能な開発目標(SDGs)においてもゴール3(健康と福祉)の中でUHCの達成が掲げられておりますが、UHC達成のためには「保健医療サービスが身近に提供されていること」、「保健医療サービスの利用にあたって費用が障壁とならないこと」の2つが達成される必要があることから、2017年7月の国連総会では「必要不可欠の公共医療サービスの適用範囲」と「家計収支に占める健康関連支出が大きい人口の割合」をSDGsにおけるUHC指標とすることが採択されました。
UHCを達成するためには、物理的アクセス、経済的アクセス、社会慣習的アクセスの3つのアクセスの改善に加え、提供されるサービスの質が高まることが重要です”
この記事の著者について
執筆者プロフィール
池田 信人
自動車メーカーの社内SE、人材紹介会社の法人営業、新卒採用支援会社の事業企画・メディア運営(マーケティング)を経て、2019年に独立。人と組織のマッチングの可能性を追求する、就活・転職メディア「ニャンキャリア」を運営。プロジェクトデザインではマーケティング部のマネージャーを務める。無類の猫好き。しかし猫アレルギー。
監修者プロフィール
長瀬 めぐみ
岐阜県高山市出身、富山県滑川市在住。実家が100年以上続くお菓子屋を営んでおり、幼少期より観光や地域産業が身近な環境で育つ。高校時代、同級生が家業を知らない現実にショックを覚え、地域創生に関心を持ち始める。短大卒業後、すぐにUターン。まちづくりのNPOで子どもの教育支援や大学のない中山間地域へ若者を誘致するインターンシップ、農業支援などの取り組みで4年間で延べ600人以上の学生と関わる。様々な活動の中で、地域が元気になるためには、地元の若者が育つ仕組みと地域の大人が楽しんで地域に参画する土壌づくりの必要性を感じ、公立高校で学校と地域をつなぐコーディネーターなども務めた。体験から気づき、意識・行動変革をもたらすゲームコンテンツに魅力を感じ、全国に広めたい!とプロジェクトデザインに参画。地元飛騨が大好き。
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<相談内容の例>
- 数あるSDGsゲームの中から自社に合うゲームを知りたい
- SDGsゲーム研修の具体的なプログラム内容を相談したい
- オリジナルのSDGsゲームの開発に興味があるので話を聞きたい