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【実施レポート】環境省近畿地方環境事務所で職員研修として、カードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」を実施!
2023年3月2日、環境省近畿地方環境事務所の職員研修としてカードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」を開催しました。
環境省では、日頃から気候変動対策、国立公園の整備、環境学習の計画・実施など様々な取り組みを行っています。その中で、環境省近畿地方環境事務所として、子どもたちの環境教育に取り組むにあたっては、様々な組織や機関と連携し取り組みたいと、参加者の枠を広げ、行政職員、ESD(持続可能な社会を実現していくことを目指して行う学習や教育活動)に取り組む団体などにもお声がけされ、本研修が開催されました。
今回、研修にご参加いただいた方々は、環境省近畿地方環境事務所職員のほか、林野庁近畿中国森林管理局職員、関西エリアで活動し環境教育を推進したいと考えるNPOや地方自治体職員、大学教授、企業、大学生など総勢34名でした。
集まっていただいたみなさまと環境教育として森の未来を考えることはもちろんですが、今後の取り組みに活かしていくための横の繋がりづくりも大切です。
カードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」とは
カードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」は、小学校高学年から大人まで、幅広い年齢層を対象としたカードゲームです。山の所有者、森林組合、猟師、行政職員、住宅メーカー、学校の先生など様々な仕事やゴールを持った10種類のプレイヤーたちが、仕事や生活のアクションを繰り返し、森と私たちの未来が刻々と変化する中で「森の未来」について考えます。
森林問題は、土砂災害、担い手不足、環境問題への無関心、産業としての衰退など、個別の問題を知っていても、その繋がりや原因について俯瞰して理解している人は多くはありません。それらを体感的に理解できることがこのゲームの特徴です。
体験会の様子
ルール説明を終え、ゲームスタート!
普段から他組織と取り組まれている方が多いからか、ゲームスタート時から交渉が積極的に行われ、会場はあっという間に熱狂の渦に包まれました。
小学生から大人までが楽しめるゲームですが、大人だけでも大盛り上がり。
普段から自然環境を守ることを考えている方々がゲームに取り組まれたことで、最終結果は、「森に関心を持つ人に溢れ」、「適切に地域の木が使用・管理」されたことで「地域経済がうまく回っている」という森・まちをつくることができました。
ゲームが終了したあとは、グループに分かれ、感想や気づきを共有します。この「振り返り」があることによって、参加者はさらに学び・気づきを深めていきます。
参加者の声
“木に関する仕事を増やす前に市民の関心を高めることが大切だと改めて感じた。消費者が木を使ってくれるからこそ企業が木を活用しようとする。行政の仕事で関わる人は一部の方だけなので、関心を高めてもらうために自分たちだけでなく、企業なども巻き込んで動くことの大切さを実感した”
“1人では解決が難しいことでも、様々な肩書の方と協力することで、より良い社会、環境をつくることができるのだとわかりやすく体験することができた”
“ ゲームの初期段階で、所持金をすべて投資して環境が改善しそうな取り組みを行ったが、まだ世の中の自然環境に対する関心が高まっていない中での実施となってしまったため、リターンが全然返ってこなかった。どのタイミングでどのような行動をすべきなのかを学んだ”
“ゲームの中での参加者間の協力が進んでおり、気持ちが良かった。森やまちを豊かにしていくことに成功すると、こんなにも楽しいのかと協力する大切さを実感できた”
“環境問題を解決するための1つとして、私たち1人ひとりの「森への関心」を育むことがとても大事だと感じた。いろいろな人に森へ関心を持ってもらうために「自分から声をかけること」「自分自身も興味を持ち続けること」「大きすぎる問題だがあきらめないこと」「組織間の分断を起きないようにするために自分ができることを考えること」など改めて実感しました”
終わりに
環境省では、日頃から国立公園の保護管理、自然とのふれあいイベントや環境教育の実施、気候変動対策など様々な取り組みが行われています。
それぞれの取り組みにおいて、各地域の企業やNPO、自治体などとの連携は必須ですが、多くの関係者と足並みを揃えていくことは簡単ではありません。
今回集まった参加者の中にも、普段から森や山を訪れ仕事などで携わっている方もいれば、そうでない方もいたり、森への距離感や温度差があったかもしれません。
ですが、研修ではそれぞれの立場から活発に意見交換がされていました。立場の異なる方々の意見に耳を傾け、お互いへの理解を深め、参加者のみなさまの今後の活動における連携の一助になれば、研修を実施させていただいた者として幸いです。
特に今回は行政の方が多く参加される研修でしたので、以下のような感想をいただいたことが印象的でした。
「住民の森林への関心が上がっても、経済が回っておらず、会社の売上が立たなければ廃業になってしまうなど、リアルな仕組みが巧妙だと感じた。特に、私自身は行政の立場であり、『お金を稼ぐ』知識に疎いので勉強になった」
森林の循環利用に向けた今後の取り組みを検討されている行政の方も多くいらっしゃると思います。
是非、カードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」を体験いただき、森林活用がどういう循環になれば持続可能になり地域経済が回るのか、俯瞰的に感じてみてください。
また、カードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」は学校の探究学習としてもご活用いただけるよう、専用の探究ワークブックも準備しております。
体験会も各地で実施しておりますので、ご興味のある方は、是非、体験会にご参加ください。
ご案内
山の所有者、森林組合、猟師、行政職員、住宅メーカー、学校の先生など様々な仕事やゴールを持った10種類のプレイヤーたちが、仕事や生活のアクションを繰り返し、森と私たちの未来が刻々と変化する中で「森の未来」について考えるゲーム。
それがカードゲーム「moritomirai(モリトミライ)」です。
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