日本中の人々がリーダーシップとクリエイティビティを磨き、存分に発揮して活躍する社会を作りたい|創業ストーリー
- 最終更新日:2024-04-23
私たちプロジェクトデザインは、お客様の組織課題(組織開発や人材の採用・育成、サステナビリティに関する課題)をビジネスゲームで解決する会社です。
2010年の創業以来、私たちが開発してきたビジネスゲームは200種類を超え、私たちのビジネスゲームを活用した研修やワークショップは、企業・官公庁・学校などの様々な組織で実施されています(20カ国・30万人以上がビジネスゲームを体験しています)。
本稿では、代表を務める福井さんのインタビュー内容をお届けます。
それではどうぞ!
福井 信英(ふくい のぶひで)
富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。
――プロジェクトデザインを起業するに至った背景やきっかけを教えてください。
大きな起業のきっかけとなったのは、2008年9月に起きたリーマンショックです。
当時、僕はジョブウェブという採用支援をする会社で仕事をしていました。主に新卒採用をしたい企業のお手伝いをしていたわけですが、リーマンショックによる企業の業績不振が新卒採用の抑制を招き、僕の感覚的には「仕事の半分が無くなった感覚」でした。
経済への影響という観点では、コロナ禍以上に甚大だったと記憶しています。
そういうわけで、お客様の人事部を営業訪問をしても、採用を抑制しているわけなので具体的な商談に発展することはなかったのですが、その代わりに、人事部の方々の話に耳を傾ける時間が増えました。
すると、細かな言葉は違えども、私が話をお聞きした人事の皆さんが口をそろえて「この苦境を乗り越えるようなリーダーシップとクリエイティビティを持った人材が欲しい」というようなことを話されるんですね。
僕も、最初の頃は「ふんふん、なるほど、確かにそうですね。確かに厳しい時代ですからリーダーシップとクリエイティビティに溢れた人材が欲しいですね」みたいな話をしていたんですけど、20人ぐらいの人事から同じような話を聞く中で、段々と怒りが湧き上がってきたんです。
「リーダーシップとクリエイティビティを持った人材の登場に期待するのではなく、人事の責任者である貴方がそうなれば良いんじゃないの?」「まだ見ぬ英雄的な人や若い世代に期待するのではなく、人事の責任者たる自分自身が動かないと!」みたいな思いが芽生えてきたんですね。
もちろん、こういったことを人事の方には言えないので、自分の心に秘めながら、人事の方々のお話に耳を傾けていくわけですが、話をお聞きする人事の人数が30人に達するぐらいのタイミングで、自分の中にも変化が起きました。
「いや、ちょっと待てよ」と。
「俺」だと。
リーダーシップとクリエイティビティに溢れた人材が来てくれるのを待っているのは、人事の方々だけではなくて、僕もそうなんじゃないかと。僕も誰かそういう人が来るのを待っているんじゃないか。でも、そんな人は待っても来ないから “自分自身がなる” ことが大切なんじゃないかと思ったわけですね。
そのためには、起業をしようと。
それは、自分自身のリーダーシップとクリエイティビティを試すための起業であり、日本中の人々がリーダーシップとクリエイティビティを磨き、それを存分に発揮して活躍する社会を作りたいという想いを実現するための起業です。
そして、この想いから生まれたプロジェクトデザイン社の最初のビジネスゲームが「The 商社」です。黒船によって開国に至り、国中が混沌としていた明治の時代に資源がないと言われていた日本を出て、リーダーシップとクリエイティビティを発揮して、世界とのビジネスに挑戦していたのは草創期に成功した総合商社の方々や商才ある人々だったのではないかと思います。
その時代のイメージをもとに、そういった「The商社」の精神をゲームに込め、これを通じて広く普及させ、一つの武器として使っていこうという形で起業することになりました。
――ビジネスゲームを武器に起業をされたということですが、勝算と言いますか、上手くいく自信はあったのでしょうか?
自信はありました。なぜなら、前職のジョブウェブの中で開発した「インターンシップで実施する短期間の体験型コンテンツ」を新卒採用市場に広く普及させることができたという成功体験があるからです。
今、多くの学生の方にとってインターンシップは当たり前のものだと思うんですけど、20数年前、僕が学生だった頃はのインターンシップは「学生の1%がやるかどうか」のマイナーなものだったんですね。
当時のインターンシップと言えば、長期間のインターンシップが常識でしたが、僕は「時間的にインターンシップに参加できない人、例えば、体育会の学生や研究に多忙な人のために短期間のインターンシップをできないか?」という課題意識のもとに、インターンシップコンテンツの開発に取り組んでいました。
会社のことを短期間で深く理解できるようなインターンシップコンテンツをどのように作れば良いのかを考える中で、僕が辿り着いた答えは体験型のコンテンツです。具体的には、その会社の仕事のエッセンスを疑似的に体験できるコンテンツを作りました。
ビジネスゲームの原点はこの時の経験にあり、今もなお、この頃に培った知見がビジネスゲーム開発に活かされています。
そして、当時リクナビやマイナビを含めて短期間のインターンシップを提供しているところは全然無かった中、ジョブウェブとして「インターンシップで実施する短期間の体験型コンテンツ」をお客様に提供する中で短期間のインターンシップの認知を広げることができた経験は、大きな成功体験として僕の中に蓄積されています。
だからこそ、この成功体験をもとに作ったビジネスゲームには絶対的な自信を持っています。
――最後に、就活を行っている学生に向けてのメッセージをお願いします。
僕が好きでよく使っている「正直革命」という言葉を贈りたいと思います。正直革命とは、社会人になって3年ぐらい経つと、本当に自分のやりたい仕事や、やりたいことの方向が見えてくるという意味。
なぜ、正直革命が起きるかというと、それは他人軸で就職していることが原因です。
例えば、
「この会社に入ったらカッコいいと言われそう」とか、
「羨ましがられそう」とか、
「待遇が良い」みたいな感じですね。
他人からどう思われるか、他と比較してどうかなどの他人軸を重視しちゃうと、3年後ぐらいに突然、正直革命が起きて「なんで、私はこの会社に入ったんだっけ?」みたいなことが頭から離れなくなってしまって、全然ハッピーじゃない人生を送る可能性がある。
だから、就活の時には「いずれ正直革命が起きるのだから、初めから自分が本当にやりたいことや好きなことを仕事にしよう」と考えて、自分軸で企業を探すと良いと思います。
その上で、今までの人生の中で自分自身のキャリアとかについて考えたことがない人にとっては、自分が本当にやりたいことを考えること自体が難しいものです。
だから、もう1つ、「最初の仕事はくじ引きである」という言葉を贈りたいと思います。これは、経営の神様であるドラッカーという人が残した言葉で、現実的な考え方として、多くのビジネスパーソンに支持されています。
僕なりの言葉で伝えるならば、こういうことですね。
最初に入る会社はくじ引きのようなものだから、どこでも良い。ただ、その会社に縁があって入ったのであれば、3年間ぐらいは一生懸命に仕事に取り組み、学べるものを学び、出せる成果を出すこと。そのうち、本当に自分がやりたい仕事やチャレンジしたいことが見えてくるから、その時に、転職するなり、起業するなり、必要なキャリアを自分で選択すれば良い。
話をまとめると、第一に自分軸で就活をしようということ。ただ、自分軸で就活ができずとも、他人軸で就活をしたとしても、一生懸命に仕事に取り組み、学べるものを学び、出せる成果を出すことで道は拓けると思います。
――福井さん、ありがとうございました!
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