【フィンランド教育体験記】首都圏の子どもの遊び場について(私たちの体験記その1)
- 最終更新日:2024-10-07
【フィンランド教育体験記】はフィンランド共和国のエスポー市に移住されている上田雄哉さんの視点で綴る、教育体験レポートです。
フィンランドについて
著者プロフィール
上田雄哉(うえだ ゆうや)
富山県滑川市出身、フィンランド共和国エスポー市在住。職業能力開発総合大学校の造形工学科を卒業後、民間企業で4年間勤務。2012年4月に行政(商業デザイン)職として富山市役所へ入庁し、12年間の在職中にデザイン振興業務、観光施設管理業務などを担当した。プライベートでは結婚を機に2013年11月から兼業主夫となり、娘の誕生後に延べ2年と9週間の育児休業を取得。2023年8月、夢だったフィンランド暮らしを妻の現地大学院進学を機に実現。大学院生の妻とエスポー市のプレスクールへ通う娘と3人暮らし。
首都圏の子どもの遊び場について(私たちの体験記その1)
こんにちは、フィンランド在住の上田雄哉です。
2023年の8月にフィンランドのエスポー市へ妻と6歳の娘の家族3人で移住し、娘が就学前教育学校(プレスクール)に通っています。教育水準が高いと言われているフィンランドで実際に娘が通っているエスポー市のプレスクールを中心に、娘が体験したことをフィンランド教育の一例としてご紹介したいと考えています。
これまでの【フィンランド教育体験記】の連載記事はこちら。
- フィンランド教育を紹介する上でのキーワード「子育て支援」について
- フィンランド教育の「就学前教育学校(プレスクール)」について
- フィンランド教育の「就学前教育学校(プレスクール)」登園1週目について
- 就学前教育学校(プレスクール)のミニ遠足(秋冬編)
- 就学前教育学校(プレスクール)の冬季限定!最高の送り迎え
- 就学前教育学校(プレスクール)における担任の先生の裁量権について
- 就学前教育学校(プレスクール)の園内イベント(秋冬編)
- 小学校への申し込み
- 就学前教育学校(プレスクール)の安全レベルについて
- 就学前教育学校(プレスクール)でテスト!?
今回お届けする内容は「首都圏の子どもの遊び場について(私たちの体験記その1)」です。それではどうぞ!
ご紹介する首都圏エリアの遊び場
これまでに私が週末や祝日等に娘と行った、エスポー、ヘルシンキなどの首都圏エリアの遊び場は、次のようなところです。
- 自転車で行ける距離の公園
- Oodi(ヘルシンキ中央図書館)
- Hop Lop(大型の屋内遊び場)
- クリスマスマーケット
- Heureka(フィンランド科学センター)
- Luonnontieteellinen museo(自然史博物館)
- EMMA(エスポー現代美術館)
- MUSEO LEIKKI(遊びの博物館)
- Linnanmäki(遊園地)
- SEA LIFE(水族館)
- Korkeasaari Zoo(コルケアサーリ動物園)
- RATIKKAMUSEO(鉄道博物館)
- Annantalo(アンナンタロ)
たくさんあるので、2回に分けてご紹介したいと思います。今回は、1から7です。
1. 自転車で行ける距離の公園
家の周辺は集合住宅地のため、棟ごとに1~2個の小さな公園があります。ブランコと砂場だけのものも含めると半径300mに小さい公園が6つありますが、休日に思いっきり遊ぶには少し物足りないです。
こちらは歩いて行くには少し遠いですが、自転車であれば近い、少し大きい公園です。
地面に埋め込まれているトランポリンや数人で乗ってペダルを漕いでぐるぐる回る遊具があります。冬は凍ったり、雪で埋まったりして使えない時もありましたが、年中遊べます。
2. Oodi(ヘルシンキ中央図書館)
Oodiは2018年にフィンランドの独立100周年のお祝いにフィンランドの国から国民に贈られた図書館です。翌2019年に訪れ、大変感銘を受けました。
「みんなのリビングルーム」というコンセプトに基づき、老若男女が寛ぐ居心地の良い空間が広がっています。建築や施設内の空間、インテリアだけでもとても素敵ですが、さらに驚くべきことに、図書館としてのソフト面を大きく超えた機能やサービスがたくさんあります。
3Dプリンターや、ミシン、音楽スタジオ(楽器のレンタルも)、グループでゲームができる部屋、ボードゲームなどが予約により利用できます。市内の別の図書館でもミシンを使えるところはありますが、Oodiは設備の充実度が別格です。
子どもが遊べる場所は屋内にももちろんありますが、建物の前は広場になっており、小さいバスケットボール場や遊具もあります。
3. Hop Lop(大型の屋内遊び場)
フィンランド最大の屋内アドベンチャーパークのチェーン、Hop Lop。天候に左右されず、子どもたちが思いっきり遊べる有料の屋内大型施設です。
参考:HopLop – HopLop indoor playground
フィンランド国内に16か所あるようで、これまでにエスポーとヘルシンキにある2箇所に行きました。
エスポーのHop Lopには空気で膨らんだ火山のようなものがあり、登って遊ぶことができます。私も娘も上まで登れませんでした(涙)。靴下の着用義務があるため、より登りづらいです。
射的場では、網の外から中の的を狙って撃ちます。網の中ではボールを入れるところがあり、自分もしくは誰かが入れてくれたボールをひたすら撃ちます。
トランポリンした後、飛び込むふわふわな場所もありました。自分自身が弾になり、的をめがけてジャンプします。
別料金のコインを購入して遊べるものの中に、車の運転ができるコースがあります。運転席の後ろに座り、子ども同士や親子で二人乗りすることができます。
4. クリスマスマーケット
ヘルシンキ大聖堂前で行われるクリスマスマーケットに、無料のメリーゴーラウンドが登場していました。
5. Heureka(フィンランド科学センター)
宇宙のことや、私たちの身近な科学・技術を遊びながら体験できる施設です。
参考:Heureka–Tiedekeskus Heureka(サイエンス センター ヘウレーカ)
宇宙ステーションでの作業体験や画像合成で宇宙服を着たリアルな宇宙飛行士になれるブースなど、楽しく宇宙のことが学べる宇宙ゾーンがあります。
様々な形のお題が出され、体のシルエットを形の中に収まるように工夫するゲームは、1人から数人で楽しめます。
体験コーナーでは、遠心力、重力、磁力の他、パラボラアンテナの仕組み、火花が散る仕組み、電気を起こす仕組み、渦ができる仕組みなど、日常生活で身近に感じるものから、AI技術の体験ができるコーナーまでありました。
重いボールを綱で引っ張り上げて、落とすと、隣の細い筒に空気が押し出され、筒の上部にある小さいボールが天井に向かって高く飛ぶ仕組みのものもあります。
人間コーナーには、腸を模した綱を引っ張ると人の腸の長さが分かるものもあります。
ちなみに、今回のトップ画像の騙し絵は外壁に描かれていた絵です。
6. Luonnontieteellinen museo(自然史博物館)
4階建てのクラシカルな建物で、外観も内観も展示も見所が満載の博物館です。充実した剥製や骨が所狭しと展示されており、子どもも大人も楽しめます。
テントをくぐる展示室には、子どもしか通れないような小動物の通り穴の展示室、剥製の作り方を解説した展示などがありました。
7. EMMA(エスポー現代美術館)
現代アートが充実しているとても素敵な美術館です。
参考:EMMA | Espoon modernin taiteen museo
子どもたちは展示エリアを横目にさーっと通り過ぎ、目指すところは展示室の奥にあるキッズコーナーです。ここはフィンランドの有名な児童文学家Mauri Kunnasの世界を表現してあり、フィンランドの有名なデザイン事務所がインテリアデザインやグラフィックデザインを手がけた空間です。物語の世界観を楽しく表現してあり、いつも大人気です。
フィンランドの有名な絵本キャラクター「ぐっすりメーメさん」の世界観が作られたコーナーもあります。
私たちが行った場所のいくつかは、娘が先に保育園のミニ遠足で行き、「楽しかったからまた行きたい」と言うので行った場所もありました。
余談1
保育園で流行しているらしい「タトゥーインキ」というシール。
子どもたちが何かお仕事!?お手伝い!?をしたご褒美として先生に貼ってもらえるらしく、お迎えに行くと、顔や腕にこのタトゥー風のシールをつけてもらっているお友だちを見かけることがあります。
娘は「私はまだつけてもらえないのー」とぶつぶつ言っていた数日後、ついに貼ってもらい、喜んでいました! しかもおでこという大胆な場所に!
こちらも先生からもらえるシールです。いつの間にかたくさんになっていました。ロッカーの透明カバーに貼ってあり、ここにはお持ち帰り用の工作やお絵かきの紙が入っており、娘の要求に応じて朝の登園時に私が持ち帰ります。
余談2
驚くべきことに、4月23日に雪が積もりました。
さすがのフィンランドでもかなり珍しく、バスや路面電車などの公共交通も、予期せぬ積雪にかなり乱れていました。夏タイヤに替えてしまった方が多かったようで、あまり車が走っておらず、道路はガラガラでした。
地下倉庫にしまったソリを出してきて、今シーズン最後(と祈りながら)のソリ登園をしました。
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今回の【フィンランド教育体験記】は以上です。
お読みいただきありがとうございました。