企業の特徴を伝えるビジネスゲームを作る際に「当社らしさとは何か」ということが議論になることが多くあります。
議論の中で「うちっぽいよねー」「ウチの文化なんですよね」のように少し曖昧な言葉で表現される『社風や風土、組織文化』を丁寧に言葉で定義し、表現の方法を考える。これはビジネスゲーム制作における重要なプロセスです。
テレワークの時代になり、以前にも増して『組織が持つ文化や風土』が業績に及ぼす影響が大きく なってきているな、と感じます。
組織が持つ文化や風土は、一般的に、下記の6項目によって育まれ、強化されます。
- リーダー(創業者の意志、トップの言動)
- 歴史(エピソード、神話)
- 人事制度
- 採用
- 儀式
- 社内用語
人事部門は1と2を除く、全てに関与できます。テレワーク時代に『適した組織文化』を作っていくことは人事のひとつの使命にもなってきました。
テレワークに向く組織文化とはどのようなものでしょうか。
おそらく、物理的に離れた環境に居ても、プロフェッショナルとして自分の責務を果たすという気持ちは大切になるでしょう。また、チームでする仕事が多くなるわけですから、チーム、ひいては会社の成果に貢献したい気持ちも大切になってくると思われます。
一方、チーム全体の動きは可視化されやすくなるため、レポートラインの重要性は下がるかもしれません。組織はフラットに近づき、機動性の高いタスクフォースとそれに責任を持って承認を出す役員で構成される必要があります。
パフォーマンスに対して、何をもってリターンとするかも変わります。
給与ではなく、 社用車や役員食堂といったものから階層構造を重層化することで(身分の差をつけることによって)生み出していた社員満足や向上意欲はまさに有名無実化するでしょう。
それよりは、仕事そのものの「価値」「楽しさ」「つながり」といった内発的動機を引き出していくような組織文化の醸成が求められることになりそうです。
私たちは現在、オフラインで提供していた『人事制度ゲーム』のオンライン化を進めています。 人事制度ゲームは組織文化を強化する6項目のうち、1及び3-6の重要性がよく分かるゲームとなっています。来月には体験会のご案内もできるかと思います。
また、すでにリリース済の『働き方改革ゲーム Online』はテレワークの時代に組織文化を見直し、強化するきっかけを掴むのに使えるゲームでもありますので、まだ体験していない方は、是非ご参加ください。
執筆者プロフィール
福井 信英
富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。
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