11月中旬、全国各地でテレワークに勤しんでいる当社社員が本社のある富山に集まり、合宿を行いました。
当社では、営業活動も納品活動も、会社の事務作業もほとんどすべてがテレワークで解決できるように社内体制を整えてきましたが、『直接会うことでしか生み出せないものがある』と、参加メンバーのほとんどが合宿形式に同意したこともあって、決行しました。
合宿を終えての感想としては、確かに「オフラインで会うことでしか実現できないことがある」と再認識するきっかけとなりました。
合宿でのテーマは大きく3つありました。
- 創業する前から今に至る、私(福井)自身のライフストーリーを語る
- 会社の現在と未来に関して(様々な手法を用いて)対話する
- その上で、会社の総合カタログとなる資料をアーリープロトタイピング(試作)する
というものでした。
結果は思っていた以上のものだったと感じています。自分たちの活動の正しさを確認する場になりましたし、同時に足りないものに関して明確化するきっかけにもなりました。ひとりひとりが合宿の成果を持ち帰ったと思います。
テレワークが当たり前になり、COVID-19が収束していない今、直接顔を合わせる機会はなかなか持ちづらいと感じます。しかし、
『会社にポジティブで大きな変革を促すきっかけとなるような場』をつくる際には直接顔を合わせて対話したほうがより効果的なアウトプットが期待できると感じます。
それは、会社にポジティブで大きな変革を促す際には、組織内のひとりひとりに変化を促す必要があり、かつ、変化を促す前提として『会社人格ではなく、プライベートも含めた全人格で対話できる場をつくること』が必須だからです。
「会社人格」「全人格」と言われてもピンとこない方もいらっしゃると思いますので、少し解説させて頂きますと、本来私たちは組織の中で何らかの自分を隠す鎧を纏っているケースが大半です。
例えば、私であれば会社にいれば経営者という仮面を被り仕事をしています。頼りになる経営者でいたいと思いますし、迷った時に決断するリーダーでありたいとも思っています。ただし、会社の外に一歩出れば、娘の教育や生活に悩む父親の仮面を被りますし、妻の前ではだらしなく忘れっぽい人という面を見せているかもしれません。父母にとってはいつまでも頼りない、何を考えているかわからない不思議な息子。という印象でしょう。
多くの人が組織の中では自分という存在の一面しか見せておらず、「こうあるべき」「こうありたい」「こうでなければならない」と組織の一員としての仮面をかぶって話します。
組織の一員としての仮面をかぶるということは自分を守る鎧を身につける行為と同じであり、心理的に安全でないがゆえに「思ったことをそのまま言う」のではなく、「求められる答えを述べる」行為になりがちです。自分を守り、求められている回答を述べている以上、時にはコンフリクトを生み出す多様な意見は生まれにくく、そこから生まれる創造的な解決策も誕生しにくくなります。
ゆえに、多様な意見を述べ合い、創造的な解決策を見出そうと思えば、組織の仮面を脱ぎ捨て自分の様々な面をさらけ出し、その上で解決策を論じる必要があるのです。
もっとも、そういった効果的な合宿の場にするためには、事前の準備や当日の仕掛けも重要になります。直接会って、時間や空間を共有しながら五感で相手を感じて対話するということもその一つですが、
他にも、
参加者の多くが自発的、潜在的に「変えたい」と思っている必要があります。経営のリーダーが「変わらねばならないのは自分自身」と思っている必要があります。その上で自分の全人格をさらけ出すことが出来るような流れや仕掛けが必要になります。そして、合宿中に小さなヒット(変化のための第一歩)を踏み出す必要があります。
さて、今はテレワーク全盛の時代ではありますが、この機会を利用して、より強靭でしなやかな組織を創りたいとお考えの経営者および、組織・人材開発の責任者の方、是非当社に一度ご相談ください。
「組織の仮面を脱ぎ捨て、自分の様々な面をさらけ出す」ことができるように開発した私たちのビジネスゲームを活用しつつ、最高の場を作ることを一緒に考えさせていただきます。
執筆者プロフィール
福井 信英
富山県立富山中部高等学校卒業、私立慶應義塾大学商学部卒業。 コンサルティング会社勤務、ベンチャー企業での営業部長経験を経て富山にUターン。2010年、世界が抱える多くの社会課題を解決するために、プロジェクト(事業)をデザインし自ら実行する人を増やす。というビジョンのもと、株式会社プロジェクトデザインを設立。現在は、ビジネスゲームの制作・提供を通じ、人材育成・組織開発・社会課題解決に取り組む。開発したビジネスゲームは国内外の企業・公的機関に広く利用され、英語版、中国語版、ベトナム語版等多国語に翻訳されている。課題先進国日本の社会課題解決の実践者として、地方から世界に売れるコンテンツを産み出し、広めることを目指す。 1977年生まれ。家では3人の娘のパパ。
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