ファシリテーターのお悩み相談室では、ファシリテーターの方々の様々な悩み相談に対して、プロジェクトデザイン社の “中の人” が悩み解決のヒントをお届けします。
ファシリテーターのお悩み相談室
<質問>
これまで外注していた研修を内製化したいのですが、社内の研修講師の候補である私自身がファシリテーター(研修講師)経験がありません。ファシリテーションのスキルはどのようにして高めれば良いのでしょうか?
<回答1>
プロジェクトデザインの亀井です。
なるほど、、そうですね。真似ることから始めてはいかがでしょうか。
何かを身につけることは、案外「真似る」ことからスタートします。「学ぶ」は「まねる」(真似る)と同じ語源で「まねぶ」とも言われていたといいます。真似ることは学びの基本と言えます。
外部研修に参加して、ファシリテーターの「話し方」「ふるまい」「ルールの説明」「ふりかえり」「参加者との受け答え」などの一挙手一投足を観察する中で、真似できることを探すと良いでしょう。
もし、あなたの身近に先輩ファシリテーター がいるのであれば、その方が研修の場に立つ際に「ファシリテーターとしてのスキルアップのために研修を手伝わせてもらうことはできないか」と相談してみることをお勧めします。
やはり、外から観察するのと中で実践するのとでは、経験値が全く異なりますから。
もちろん、相談しても拒否されることもあると思います。ですが、熱意を持って相談すれば無下に断られることはないでしょう。
その時は駄目でも「別の機会に研修を手伝ってもらえるかな」「自分の研修を手伝ってもらうのは難しいけど、〇〇さんであれば快諾されるかもしれない」といったチャンスを得られるかもしれません。
先輩ファシリテーター に相談する際は是非、以下の点を伝えることを意識してみてください。
- 研修を手伝いたい目的
- ファシリテーターとして身に付けたいものが明確にある場合は、その内容
- 研修を手伝う上で自分が手伝えること
その上で、研修を手伝うことに許可をいただけた場合は、任された範囲の中で「自由に行動してもいいのか」「確認を取りながら行動した方がいいのか」を確認しておくことが大切です。
任せたので後は自由にやって欲しいと思うタイプ、任せたものの心配なので都度確認したいと考えるタイプなど、仕事の任せ方に関する考え方はファシリテーターによって異なるので、そこは事前に確認すべきですね。
最後に。
研修が終わった後には先輩ファシリテーターと話をする時間を設けましょう。研修を手伝う中で「個人的に気になった場面」を伝えて、そのようにした理由や目的を聞いてみてください。この質問に対する先輩ファシリテーターの考え方は自身のファシリテーションスキルを向上させる大きなヒントになります。
ファシリテーションが急に上手くできるようになることはないので、真似ることを通じて、少しずつファシリテーションのスキルを身につけていってください!
<回答2>
こんにちは、プロジェクトデザインの竹田です。
亀井さんからは「ファシリテーター視点」の話があったと思うので、僕からは「参加者視点」で体験する機会を増やすということを提案したいと思います。
僕は、ファシリテーションのスキルを高めたいと思っているゲームの体験会や研修の場に、参加者として数多く参加してきました。
参加動機は「あのファシリテーターの運営を見たい!」とか「単純に数多く参加してみたい」ということだったのですが、そういった場には自分自身のファシリテーションスキルを高めていくヒントが無限に存在しています。
参加者として体験することによって、
「なるほど!こうやって進めると参加者が内省しやすいのか!」
「この問いだと対話が生まれやすいなぁ!」
「こんなチェックインの方法があるのか!」
といった発見に繋がります。
その一方で「こんな運営は自分の特性には合っていないなぁ・・・」といった、自分が採りたくないファシリテーションのパターンも見えてくることもよくあります(参加者視点とファシリテータ―視点でメモを取りながら体験すると効果的だと思います)。
きっと、帰り道では、次回に自分がファシリテーションを行う場のスライドを作りたくなっているはずです!
弊社プロジェクトデザインのゲームコンテンツは、参加者として何度も参加するほど、そしてファシリテーターとして何度も運営するほど、それぞれの視点で新たな学びや発見があります。
弊社主催の体験会、他のファシリテーターの体験会など、オンライン/オフライン問わず探していただき、どんどん参加されることをオススメします!
執筆者プロフィール
亀井 直人
鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム”2030SDGs”に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。博多駅前”fabbit hakata ekimae”に福岡オフィスを構え、関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。
- 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
- PMP(Project Management Professional)
- NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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竹田 法信
富山県立富山中部高等学校卒業、筑波大学第三学群社会工学類卒業。大学卒業後は自動車メーカー、株式会社SUBARUに就職し、販売促進や営業を経験。その後、海外留学などを経て、地元・富山県にUターンを決意。富山市役所の職員として、福祉、法務、内閣府派遣、フィリピン駐在、SDGs推進担当を歴任。SDGsの推進にあたり、カードゲーム「2030SDGs」のファシリテーションを通して、体感型の研修コンテンツの可能性に魅せられ、プロジェクトデザインへの転職を決意。ファシリテーターの養成、ノウハウの高度化などを通して社会課題の解決を目指す。富山県滑川市在住、地元・富山県滑川市総合計画審議会委員。