【実施レポート】イノベーションの手法を学ぶため、企業内研修として「SDGsアウトサイドインカードゲーム」を実施(中特グループ)
企業名 :中特グループ
業界業種:産業廃棄物処理業
事業内容:産業廃棄物処理、下水道維持管理、解体など
従業員数:28名
本稿では、「SDGsアウトサイドインカードゲーム」を活用した研修事例をご紹介します。2019年10月5日に中特グループの皆様に実施した内容です。
<企業プロフィール>
中特グループは一般廃棄物の収集運搬業者として創業し、現在は法人・行政向けの産業廃棄物処理から、個人向けの遺品整理・片付けサービスまで、生活環境の困りごとを静脈産業として全力で解決しています。「生活環境革命で人々を幸せにします」を企業理念とし、環境教育や海岸清掃などにも携わっています。
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」とは
今回、中特グループの皆様に体験いただいたビジネスゲームは「SDGsアウトサイドインカードゲーム」です。
アウトサイドインは自社起点のプロダクトアウト・市場ニーズ起点のマーケットインとは異なる、社会課題の解決を起点としたビジネスアプローチです。
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」を通して、自分達のリソースをベースとした発想ではなく、社会課題に向き合う事業創造の考え方を理解できます。
SDGsの17番目の目標(ゴール17)は「パートナーシップで目標を達成しよう」です。社会課題を起点に事業創造する際、自社のリソースでは足りなくても他社とパートナーシップを築くことで、単独ではできない大きなことも成し得ます。
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」ではゲーム中の行動を通してパートナーシップの大切さを学ぶことができます。
中特グループ様での企業内研修として実施!
山口県周南市の中特グループ様で「SDGsアウトサイドインカードゲーム」を活用したワークショップ型の研修を実施しました!
中特グループ様は、山口県の周南地域を拠点として「社会の役に立つほど事業が発展する。事業が発展するほど社会の役に立つ」という考えのもと、様々な廃棄物を有効活用して社会に還元することで、次世代の環境を守る活動をされている、いわばSDGsリーディングカンパニーです。
開催の2か月以上前に、「CSRを推進していくことによって社会課題を解決する、地域貢献する。これによって企業も一緒に発展していく。そのためのイノベーションの手法を学びたい!」とのご相談を受け、当日は、土曜の午前8時からの開催にもかかわらず30名近い皆様にご参加いただきました。
冒頭、この研修の仕掛け人である中特グループの橋本ふくみCEOより、「次世代のために、環境のこと、社会のこと、子どもたちのことを考えてグループで何をすべきか、SDGsを踏まえてあるべき姿に向かっていく」との力強い言葉をいただきました。
5つのチームに分かれ、SDGsやアウトサイドインのインプットに続いてルール説明。身を乗り出してカードを覗き込む姿も多く見られ、ゲームが盛り上がることを確信しました。
そして、ゲームスタート!
まずは最初の「調査・検討タイム」。それぞれのチーム内では、ゲームのルール確認に加え、「自分のチームの強みで何ができるのか?」「自分のチームが把握している社会課題は何なのか?」という検討がなされています。
最初はみなさん、手探り状態。
その後の「自由行動タイム」では、チーム内のカードから新規プロジェクトがどんどん立ち上がり、会場の至るところから拍手が起こり始め、熱気がどんどん高まっていくのを感じました。新規プロジェクトを実行して資金を増やすため、他のチームを回って「SNSでプロモーションさせてください!」という交渉も起こり、資金がどんどん増えていきます。
後半になるとボルテージが最高潮に。
「教育システムのカードを貸してください。そうすればこの社会課題を解決できそう!」「資金を増やすことができたら、その売上を分配しましょう!」といった交渉や連携が会場の至るところでどんどん起こり、会場内を走り回る人が続出! 最後の最後までみなさまが諦めずに行動し続ける姿が印象的でした。
後半で特徴的だったのは「自分の思いや価値観、ビジョンを実現するにはどう行動すればよいか」「自分のチームの強みを起点に考えると、できることに限界がある」という気づきが早くも起こっていたことです。
そして、ゲーム終了。
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」の本番はここから。「どうしてこのような結果となったのか?」「どうすればさらに良い結果となったのか?」 など、ゲームで起こっていたことをそれぞれが振り返って、そこから学び、気づき、洞察を得ていく大切な時間です。
振り返りで出た意見の一部をご紹介します。
- 新しい市場を開拓するには、SDGsの視点で社会課題をしっかり分析することが大切
- 必要なアセットを他チームと共同で集めたので、資金を増やすことができた
前半は自分のチームが持つ強みに固執してしまった - 他のチームが持つ強みをさらに調査しておけば良かった
- 新事業を創出する起点は、自社の強みと他社の強みの相乗効果だと感じた
- アウトサイドインの動きができずに時間切れとなってしまった
ここからビジネス事例のレクチャーを行った上で、さらにゲーム体験と振り返りで得た洞察を実際のビジネスに活かして新事業を考える、マトリクスによる発想のワークを行いました。
縦軸には各自の思いがこもったSDGsのゴールやターゲット、横軸には中特グループ様の資産を置き、縦軸と横軸の結合によってどんな新事業が設立できるか、ブレーンストーミング形式でアイデアをどんどん出してもらいました。
- 他のアイデアにどんどん乗っかる!
- 質より量を!
- 評価判断をしない!
- トピックに忠実に!
といったルール説明を行い、チームごとに役割分担を決めてスタート!
他のアイデアに乗っかれば乗っかるほど発想が広がり、各チーム大変な盛り上がり!
その後、新事業のアイデアの収束を行い、タイトルとシナリオストーリーを作ってチームごとに発表しました。
橋本CEOからは、「実際に構想している事業も出てきてビックリした。すごく面白いし、社会課題を起点にして事業を作ることの重要性を強く感じることができた」との声をいただきました。
そのほか、ご体験いただいた社員のみなさまより、次のような声をいただきました。
- アウトサイドインの考え方でビジネスに向き合うことが重要だと感じた
- ゲーム・ワークショップ型の研修は画期的で、すんなりと頭に入ってきた
- 社会課題の解決を起点に考え、固定観念に捉われないように発想を飛ばすことが大切
- 社会課題と自社の業務をリンクさせれば、より必要とされる会社となれる
- 柔軟にわくわく楽しみながら、新たな事業展開を考えることができた
4時間という長丁場のパッケージが一瞬に感じるほど、運営としても皆さまと楽しませていただきました。「また研修に来てください!」というお声もいただき、今後の展開やつながりが楽しみな場となりました。
中特グループのみなさま、ありがとうございました!
中特グループ様WEBサイト
http://www.chutoku-g.co.jp/
研修講師プロフィール
竹田 法信(たけだ のりのぶ)
富山県立富山中部高等学校卒業、筑波大学第三学群社会工学類卒業。大学卒業後は自動車メーカー・株式会社SUBARUに就職し、販売促進や営業を経験。その後、海外留学などを経て、地元・富山県にUターンを決意。富山市役所の職員として、福祉、法務、内閣府派遣、フィリピン駐在、SDGs推進担当を歴任。SDGsの推進にあたり、カードゲーム「2030SDGs」のファシリテーションを通して、体感型の研修コンテンツの可能性に魅せられ、プロジェクトデザインへの転職を決意。ファシリテーターの養成、ノウハウの高度化などを通して社会課題の解決を目指す。富山県滑川市在住。
ご案内
「SDGsアウトサイドインカードゲーム」は、SDGsを企業活動に取り入れたい方・新規事業の創造に関心のある方にお勧めのビジネスゲームです。
社会課題起点の事業創造・パートナーシップ・“Will” の活用を理解する機会と、企業活動におけるSDGsの活用や事業創造のきっかけをご提供します。
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