ビジネスマナーとは?基本から実践的内容に至るまで分かりやすく解説
- 最終更新日:2024-08-19
ビジネスマナーとは何か。その意味とビジネスマナー必要とされる背景、そして、様々な場面で必要とされるビジネスマナーについて、基本から実践的な内容まで分かりやすく解説します。
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「The マナー」は、新入社員やビジネスマナーを学ぶ必要のある若手社員にお勧めのビジネスゲームです。
一連のゲーム体験を通じて、マナーを評価する側の視点で自分のマナーがどの程度通用するのか、自身のマナーの至らなさがどんな機会損失を招いているのかの自覚を促し、「より良い仕事を行う上で、自分はマナーの習熟度を高めていく必要がある」という内発的動機付けを支援します。
ビジネスマナーとは
ビジネスマナーとは、ビジネス関わる人々の間で必要とされているマナー(顧客や周囲に対しての思いやりの気持ちを形に表したもの)を意味します。
挨拶・表情・身だしなみ・言葉づかい・態度などのビジネスコミュニケーションにおける基本的なマナーをはじめ、名刺交換のマナー・訪問マナー・メールマナー・電話マナーなど、ビジネスマナーの種類は多岐に渡ります。
なぜ、ビジネスマナーは必要なのか?
相手からの信用を得るために、ビジネスマナーは必要
マナーはルールとは違います。マナーを守らないと罰則があるわけではありません。ですが、マナーとは守られて当たり前のものです。それゆえ、マナーが守られていない人は相手の目には非常識な人として映ります。
特に、ビジネスシーンにおいては、
- お客様から相談されなくなり、提案機会を逃してしまう
- お客様の希望で、自分が担当から外されてしまう
など、自らの機会損失を招くことにもなりかねません。逆に、マナーがきちんと守られている人の場合、相手からの信用を得やすくなります。
お互いに気持ちよく働く上ために、ビジネスマナーは必要
働くことには苦労が付き物です。
誰もが自身の仕事について難しさを感じ、大小様々なストレスを抱えています。そんな中におても、元気よく挨拶をする、明るい表情を保つ、敬語を正しく使う、などのビジネスマナーを皆が守ることで、お互いに気持ちよく働くための土壌がつくられていきます。
そして、その土壌は、やがて組織風土という形で実を結びます。
例えば、来客対応や電話応対、採用選考などの場面においてビジネスマナーが組織風土として徹底されることで、社外の人間(お客様や取引先、求職者)の目には「しっかりした会社」や「感じの良い会社」として映るようになります。
5つの基本的なビジネスマナー
ビジネスにおいて時間は貴重な資源です。
ゆえに、ビジネスシーンではぱっと見た感じやちょっとした会話のファーストインプレッションで相手を値踏みするケースが少なくありません。
そこで本稿では、ファーストインプレッションに大きく影響する、挨拶・表情・身だしなみ・言葉づかい・態度の5つの基本的なビジネスマナーについて解説します。
挨拶のビジネスマナー
自分から率先して行う、相手の目を見る、元気よく挨拶する。これが挨拶のマナーです。
その上で、挨拶の言葉には気持ちを乗せたり、心を込めることも大切です。出社時は「今日一日よろしくお願いします」という気持ちを乗せて、退社時は「今日一日ありがとうございました」の感謝を込めて、元気よく挨拶をしましょう。
他者に心からの敬意を払う行為は、自身が謙虚であり続けるための基本行動になります。
表情のビジネスマナー
人は誰しも、相手の顔色(表情に現れた気持ち)をうかがうものです。
話をしている相手の表情が明るい場合と暗い場合、どちらが話しやすいかは一目瞭然です。話者としては、相手の表情が明るい方が「話をポジティブに聞いてもらえている」と感じるものです。
ゆえに、相手が心地良く話をできるように、自らの表情を明るく保つことが表情のマナーになります。ちなみに、明るい表情をキープすることが難しく感じられる場合は、笑顔をつくる(表情筋を鍛える)トレーニングを行うことをお勧めします。
身だしなみのビジネスマナー
おしゃれは自分のためのものですが、身だしなみは相手のためにあります。
TPOをわきまえない身だしなみは、相手に礼節に欠ける印象を与えます。礼節を尽くすことは信用獲得の一歩であることを考慮すると、身だしなみのマナーを実践することの価値は図り知れません。
言葉づかいのビジネスマナー
言葉づかいは、第二印象を左右するものです。
尊敬語・丁寧語・謙譲語をきちんと使い分けることができていない人物は、ビジネスパーソンとして未熟に映るだけでなく、敬語の誤用は(本人はそんなつもりが一切なかったとしても)相手に対して失礼な態度を取っているように解釈される向きもあります。
<ビジネスシーンで特に気を付けたい敬語例>
- 敬称の使い分け
社内コミュニケーションでは相手の名前に敬称をつける必要があるが、社外の方とのコミュニケーションの際には、社内の人間には敬称をつけない。
- 御社と貴社の使い分け
どちらも相手の会社を立てる表現だが、口頭の場合は「御社」が正しく、書面の場合は「貴社」が正しい。
- 同意を示す敬意表現
ついつい使ってしまいがちな「了解しました」や「わかりました」は敬意表現ではない。「承知いたしました」か「かしこまりました」を使うべき。
- 退社時の挨拶
「ご苦労様」は目上の人が目下の下に対して使う言葉。一般的には「お疲れ様でした」や「お先に失礼します」と伝える形が適切。
態度のビジネスマナー
表情と同じく、態度にはその人の気持ち(心の状態)が現れます。平時は態度に問題がない人も、有事の際には態度が変わってしまうケースがあります。
- 上司から叱られる際に、無口になったり、ふてくされてしまう
- 目の前の仕事に忙しい際に、イライラしてしまう
- 嫌なことが起きた際に、ため息をついてしまう
これは一例ですが、まずは、自分自身の態度の癖に自覚的になる必要があります。その上で、悪い態度は、本人が想像する以上に他人の心に負担をかけるものだと理解することが重要です。
なお、本人の無自覚な姿勢や動きが、悪い態度として相手から見られるケースもあります。本人に悪気は全くなかったとしても、下記のような姿勢や動きをしてしまうと態度がなっていないと思われてしまう可能性があります。
- 仕事中に頬杖をつく癖がある
- デスクワーク中に足を組む癖がある
- ついつい猫背になってしまう
- 歩き方がだらしない
- 書類を乱雑に扱ってしまう
こういった癖は早期に改善しましょう。
すぐに仕事で使えるビジネスマナー
ここからは、より実践的な(すぐに仕事で使える)ビジネスマナーをご紹介します。
電話応対のビジネスマナー
3コール以内に電話に出る
電話は1コールで出てしまうと相手がびっくりされることもあるので、2~3コール以内(4コール目が鳴る前)に電話に出ましょう。
なお、電話に出るタイミングが遅れた際(4コール以上鳴った時)は「(大変)お待たせいたしました」とお詫びの一言を添えるようにしましょう。
ゆっくり話す・声を張る
お客様として電話応対で最もストレスになるのは「話が聞き取れないこと」です。
電話応対に慣れていない方の場合、本人の想像以上に早口になってしまうものなので、基本的にはゆっくり話すことを推奨します。また、小声にならないように声を張ることも大切です。
なお、機会があれば、同僚と一緒に電話応対の練習(ロープレ)を行うことをお勧めします。互いにフィードバックをし合うことで、電話口で話すスピードや声量についての感覚を持てるようになります。
メモを取る体制を整える
電話応対のトラブルとしてありがちなのが、情報の不足です。電話の話の内容についてメモは取っているものの、情報に不足があり、社内の担当者への情報共有に支障が生じてしまうことがたびたび起こります。
このような状況を避けるためには、メモを取る体制を整えておくことが大切です。右利きの方であれば、右手側にメモと筆記用語を配置し、左手で受話器を取れるようにしておくと良いでしょう。
なお、話の内容については、下記のようにWho-What-Whenを意識したメモを取ることをお勧めします。こちらから質問・確認をすることで初めて情報を得られるケースもあるので、このWho-What-Whenで情報に抜け漏れがないかをチェックすることに意味があります。
- Who:電話の相手は誰?(会社名、お名前、折り返しの際の電話番号)
- What:どのような要件?
- When:いつまでに対応すべき?(緊急性の有無、先方の期待する返信タイミング)
メールのビジネスマナー
クイックレスポンス
ビジネスの世界においては時間・スピードに大きな価値があります。
メールのやり取りにおいても、先方から送られてきたメールにすぐに返信する、商談後すぐにお礼メールを送信するなどのクイックレスポンスを心掛けることで、先方から「対応が早い=仕事ができる」印象を持ってもらいやすくなります。
また、クイックレスポンスの実践は、自身の思考・行動・判断スピードを速めるトレーニングも兼ねる一石二鳥のビジネスマナーと言えます。
時間差ダブルチェック
メールで起きがちな失敗といえば、宛先と内容のミスです。このミスを防ぐ方法は、間違いがないかを目視確認する他ありません。
全く関係のないメールアドレスが含まれていないか。重要情報(記載している相手のお名前、打ち合わせ日程や仕事の納期、請求金額など)に間違いがないかをチェックしましょう。
チェックする際には「メール文面の作成時にチェックしてから一定時間空けて再度チェック」というダブルチェックを行うことを推奨します。なぜなら、文章を書く行為と確認する行為とでは、モード(頭の使い方)が異なるからです。
執筆モードと確認モードを両立させることは難しいので、最初のチェックでは執筆モード全開の中でできる範囲の確認をするに留め、頭をクールダウンさせた後に、2回目のチェック時に確認モード全開にすると良いでしょう。
報連相のビジネスマナー
結論ファースト
仕事の進捗報告やトラブルの報告、業務連絡や仕事上の相談。本人が報連相をする相手は、日々たくさんの報連相を受けているものです。
そういった状況がある中において、自分から上司に報連相をした結果、「結局何が言いたいんだ?」と言われてしまうのは、多忙な上司の時間を無駄に使ってしまったことを意味します。
そうならないように、結論ファースト(初めの1~2分で結論伝えること)が推奨されます。
めげずに相談する
「こんなことを相談するのは失礼ではないか?」
「今更相談しても怒られるだけではないか?」
このように、相手への配慮の気持ちや自分自身の中の恐怖心が、相談する行為を妨げる側面があります。ですが、報連相とは適切なタイミングに行うことが重要である前提に立つと、相談という行為は自身が相談したいタイミングで行う形が推奨されます。
相談する内容やタイミングによっては「それぐらい自分で調べれば分かるのではないか?」「相談するタイミングが遅い!」などの厳しめのフィードバックが返ってくることもありますが、それも経験です。次からは相談内容やタイミングを改善する気持ちを持ち、めげずに相談を続けることが、相談が上手くなるコツです。
ちなみに、相談される立場にある人は「相談する人を育成する責務」も担っているので、相談されること自体は内心嬉しく思っているものですし、相談する人への期待の気持ちを持っています。こういった相談される側の心情を踏まえて、めげずに相談を続けていきましょう。
商談のビジネスマナー
お客様視点で商談の目的を伝える
商談では、目的について互いの認識を合わせた上で話を進めることは当たり前のことですが、この時、お客様視点に立つことが大切です。
例えば「自社サービスのご提案をさせていただきます」と伝えるのは自社視点の伝え方です。これをお客様視点で捉えなおすと、「御社の〇〇の課題解決に貢献するためのご提案をさせていただきます」となります。
このちょっとした配慮をすることによって、お客様は商談の目的を理解しやすくなります(その後の商談の話にも耳を傾けやすくなります)。
クッション言葉を使う
「たいへん恐縮なのですが」「もし差し支えなければ」「お手数をおかけいたしますが」などのクッション言葉。
相手にお声がけをしたり、お願いをしたり、反論をしたり、お断りをする際にクッション言葉を使うことで、言葉の衝撃を和らげる効果が期待できます。
特に、初対面でのコミュニケーションが多い商談時においては、自分の伝えたいことを伝えつつも、相手に不快な思いをさせないための緩衝材としてクッション言葉が重宝されます。
この記事の著者について
執筆者プロフィール
池田 信人
自動車メーカーの社内SE、人材紹介会社の法人営業、新卒採用支援会社の事業企画・メディア運営(マーケティング)を経て、2019年に独立。人と組織のマッチングの可能性を追求する、就活・転職メディア「ニャンキャリア」を運営。プロジェクトデザインではマーケティング部のマネージャーを務める。無類の猫好き。しかし猫アレルギー。
監修者プロフィール
亀井 直人
鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム「2030SDGs」に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。活動を通じて関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。
- 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
- PMP(Project Management Professional)
- NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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