リーダーシップとは?その意味と内容、リーダーシップを育む方法

リーダーシップとは何か。

リーダーシップの意味とリーダーシップの内容、そして、リーダーシップを育む方法について、分かりやすく解説します。

Contents(目次)

リーダーシップとは

リーダーシップとは、集団をまとめ、目的に導いていく行動です。リーダーとして取るべき行動(果たすべき責任)がリーダーシップとして言語化・定義されます。

組織のリーダーは、マネジメントによって効率的なチーム運営をします。役職者の権限と組織のルールをもとに戦略・計画・予算・配置・育成などの手段を講じ、目的の達成を目指します。

その上で、チームを効果的に機能させるためにはチームの一致団結が必要不可欠です。この時、リーダーに求められることがリーダーシップの発揮です。ビジョンやチームビルディングなどの手段を通じて、チームの一致団結を目指します。

このように、リーダーシップとマネジメントは相互補完の関係にあり、優劣はありません(両立できる能力を自らが備え、状況に応じて使い分けることが肝要です)。

 リーダーシップマネジメント
人を動かすもの信頼関係(リーダーの人格や行動)役職者の権限・組織のルール
手段ビジョン・チームビルディング戦略・計画・予算・配置・育成
メンバーとの接し方対話指示

表. リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップの内容(リーダーとして取るべき行動)

ビジョンを描く

リーダーは、目的に向かってチームのメンバーを導いていく存在です。先導者としてビジョン(明るい未来像)を描き、メンバーを鼓舞する必要があります。

ただ、ビジョンを示すことは大切ですが、そのイメージがあまりにも実現不可能に思えるものだとすれば意味がありません。むしろ、逆効果になることもあります。

実現可能なビジョンへの道筋を示す、戦略や計画を描く必要があります(ここはマネジメントの範疇です)。

チームビルディング(チーム作り)

チームメンバーのパフォーマンスをベクトル(大きさと向きを持つ量)に例えると、チームが一致団結している状態とは、各メンバーが目的に向かってベクトルの向きを揃えることで、組織力(メンバーのベクトルの総和)を最大化させている状態です。

ところが、現実においては、

  • 目標に納得していないメンバー
  • 部分最適的な行動を取るメンバー
  • 言いたいことを言いづらいと感じているメンバー
  • モチベーションが低いメンバー
  • 失敗を恐れて行動が鈍くなっているメンバー

など、チームメンバーが自身のベクトルの向きを異なる方向に向けており、その結果、組織力(メンバーのベクトルの総和)が十分に発揮されない状況に陥ってしまうケースがあります。

だからこそ、チームビルディングを通じて、チームメンバーがチームワークを発揮するための支援をすることに価値があります。

図. メンバーのベクトルの向きと、組織力(メンバーのベクトルの総和)

<ご案内>
チームビルディングに関して興味の有る方は下記の記事をご覧ください(チームビルディングの基礎知識と実践方法をご紹介します)。

リーダーシップの種類

本稿では一般的に知られるリーダーシップの種類として、アメリカの心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱する6つのリーダーシップスタイルをご紹介します。

このリーダーシップ論が絶対的に優れているわけではありませんが(世の中には実に様々なリーダーシップ論が存在します)、リーダーシップについての学びを深めていく上での一歩として、参考にしていただければ何よりです。

1. ビジョン型リーダーシップ

ビジョン型リーダーシップは、ビジョンをもとに組織を導くリーダーシップのスタイルです。

このリーダーシップを発揮するためには、組織のビジョンが明確であることはもちろん、リーダー自身がビジョンの実現に対する揺るぎない信念をも持ち合わせていることが重要です。

組織の掲げるビジョンをリーダー自身の言葉で語ること、メンバーの業務とビジョンとの関連性を指し示すことを通じて、チームを一致団結させます。

2. コーチ型リーダーシップ

コーチ型リーダーシップは、メンバーひとり一人に寄り添い、コーチングを通じて組織を導くリーダーシップスタイルです。

比較的成熟したチームであれば、リーダーが先頭に立ってメンバーを引っ張ることよりも、個々のメンバーの主体性を信じ、それぞれのメンバーに合ったサポートに徹するコーチング的アプローチが有効です。

なお、近年注目されているサーパント(奉仕型)リーダーシップも、コーチ型リーダーシップにカテゴライズされるものです。

3. 関係重視型リーダーシップ

関係重視型リーダーシップは、チーム内(リーダーとメンバー、メンバー同士)の人間関係を重視しながら組織を導くリーダーシップのスタイルです。仲良しリーダーシップと呼ばれることもあります。

このリーダシップスタイルは、チームを一致団結させる上では有効に機能する一方で、チーム内の競争意識や健全な衝突(意見のぶつけ合い)を妨げる側面がある点には注意が必要です。

4. 民主型リーダーシップ

民主型リーダーシップは、リーダーがメンバーの意見を広く受け入れながら組織を導くリーダーシップのスタイルです。ボトムアップ型のリーダーシップとも言えます。

特に、主体的なメンバーが多いチームにおいて機能しやすいリーダーシップスタイルですが、様々な意見をまとめるためのリーダーの力量が問われることは覚えておく必要があります。

5. ペースセッター型リーダーシップ

ペースセッター型リーダーシップは、リーダー自身が成果を示しながら組織を導くリーダーシップのスタイルです。

プレイングマネージャーのように、リーダー自身に個人目標が課せられるシチュエーションにおいて機能しやすいリーダーシップスタイルです。

6. 強制型リーダーシップ

強制型リーダーシップは、メンバーに対する指示命令を通じて組織を導くリーダーシップのスタイルです(専制型リーダーシップ、強権型リーダーシップと言われることもあります)。

リーダーシップを発揮する上ではメンバーとの対話が重視される中、指示命令を行うことは好ましいことではありません。メンバーの成長を阻害したり、モチベーションを削いでしまうリスクがあります。しかし、スピードが求められる有事(何かのトラブルや想定外の問題)の対応においては、対話によるリーダーシップでは上手く対応できないこともあります。

そんな有事の局面においてリーダーに求められるものが、強制型のリーダーシップです。

リーダーシップを育む方法

自分の視座を高める

リーダーがビジョンを描くためには先見の明(先を見通して判断・行動する能力)が必要です。そして、この能力を鍛える上で「視座を高める」ことが推奨されます。

自分より一つ上の役職者の視点で物事を考えること。より俯瞰的な視点と長期の時間軸で分析や考察を行うこと。そうやって高い位置に立つことでこそ見える景色があります。

理想とするリーダー像を定める

  • 誰よりも遠くを見据えたビジョンによって組織をリードする、ソフトバンクの孫氏
  • 圧倒的な決断のスピードで組織を発展させる楽天の三木谷氏
  • 支援型のリーダーシップで組織の新たな可能性を切り拓くサイバーエージェントの藤田氏

これはビジネスシーンをリードするリーダー達のリーダー像ですが、歴史上の偉人や漫画に登場するキャラクターを含めて自分が理想とするリーダー像を定めることは、自らのリーダーシップを育む上での羅針盤になります。

常に頭の中に「そのリーダーならどう振る舞うのか?」という問いを立て、実践し、振り返る。このサイクルを回すことで理想とするリーダーシップを発揮できる状態に近づけます。

率先垂範を実践する

メンバーは、リーダー自身が想像する以上にリーダーのことをきちんと見ています。言行不一致(口だけで行動が伴わないこと)はすぐに見抜かれます。

だからこそ、チームの先導者であるリーダーは仕事のあらゆる面において率先垂範(人の先頭に立ち、行動し、模範を示すこと)を実践し、メンバーからの信頼を獲得してくことが大切です。

メンバーに仕事を任せる

リーダーには、自分一人の努力では到底到達できないであろう、高い目標が課せられます。

当然ながら、チームが一丸となって目標達成に向かう必要がありますが、この時、リーダーに問われるのは「メンバーに仕事を任せる」アクションです。

短期的にはリーダー自らが動いた方が効率が良かったとしても、それが続くとリーダーに負荷が集中し、本来リーダーとして取り組むべきことが疎かになります。つまり、リーダーがリーダーシップを発揮できない状況に追い込まれていくことを意味します。

ゆえに、長期的な視点のもとに人材育成を兼ねてメンバーに仕事を任せていき、リーダー自身がやるべきことに集中できる環境づくりに取り組むことが大切です。

もちろん、メンバーに仕事を任せる一連のプロセスでは密なコミュニケーションが必要であり、時に困難を極めるものですが、難局を一緒に乗り越える経験は信頼関係を強固なものにします。

この記事の著者について​

執筆者プロフィール

池田 信人

自動車メーカーの社内SE、人材紹介会社の法人営業、新卒採用支援会社の事業企画・メディア運営(マーケティング)を経て、2019年に独立。人と組織のマッチングの可能性を追求する、就活・転職メディア「ニャンキャリア」を運営。プロジェクトデザインではマーケティング部のマネージャーを務める。無類の猫好き。しかし猫アレルギー。

監修者プロフィール

亀井 直人

鳥取県立鳥取東高等学校卒業、福岡工業大学情報工学部情報通信工学科卒業。SE(インフラエンジニア)として長く経験を積む。プロジェクト遂行におけるチームのパフォーマンスを引き出すためにファシリテーション技術の習得・実践を続ける。特定非営利活動法人日本ファシリテーション協会では役員(2016年~2021年理事、2019年~2021年副会長)を務める。富士ゼロックス福岡在籍中にSDGsとビジネスゲーム「2030SDGs」に出会う。ビジネスゲームが持つ力の素晴らしさに触れ、2020年に研修部マネージャーとしてプロジェクトデザインに合流する。活動を通じて関わり合う方々との対話を楽しみにしている。鳥取県鳥取市出身。蟹と麦チョコが大好き。

  • 経済産業省認定情報セキュリティスペシャリスト
  • PMP(Project Management Professional)
  • NPO法人 SDGs Association 熊本 監事
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